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The Another side of DragonNest ~光射す中 影に寄り添う・前編~

Posted by みん on 14.2016 【ドラネスストーリー】 0 comments 0 trackback
おはこんばんちわんす!みんでございます。

本日は70000記念用に少しずつ書いていたお話です。
主人公は今をときめかない(ぉぃ)クレリックのおかーさん・エクレール様!
めっちゃ遅くなったのは、めっちゃ設定がコロコロ変わったからです。
なるべく読みやすいようにと思っていたけど・・・。難しい・・・。
しかーも、アークヘレティック実装に伴い、ずいぶん加筆修正しちまって
その挙句1回で収まらなくなって、苦肉の前後編に分けました。がっくし。

なので。

すげぇ長いです。字、多いです

それでもいいよという、お暇な方だけ、続きをどうぞ。

光出づる時、闇も、何処からともなく、姿を現す。
そして、闇なくしては、光もまた在る事は叶わず。

それは、最も近き彼方。そして、最も遠き双糸。

触れ合えば、互いを滅し合うだけなのに
それでも、光は、闇を、手放そうとせず
それでも、闇は、光に、焦がれ続ける。

千切れた半身を恋うて哭く 比翼連理の如く。

--------------------------------------------

「可哀想に・・・。」
彼女は、今にも泣き出しそうな目をして、そう、呟いた。
視線の先には、小さな雀の子が、渇いた土の上に冷たく横たわっていた。
「きっと、知らずに飛び込んできてしまったのね・・・。」
彼女は、動かなくなった雀の子を、そっと優しく両手で拾い上げた。
そして。
一瞬、彼女の手が白く光ったように見えた。だが、光はすぐに消えてしまった。
「・・・。やはり、無理、ね・・・。もう・・・。」
彼女は、眼を伏せ、そして、哀しそうにうなだれた。

「エクレール様、どうかされたのですか?」
彼女は、呼ばれた方を振り返った。
「ああ、カスティア。いいえ、何でもないの。」
カスティアと呼ばれた、一風変わった白と黒の祭祀服をまとったその女性は、エクレールが手にしているものに気づいた。
そして、エクレール同様、目を細め、辛そうに手の中の骸を見つめた。
「それは・・・。雀の子供ですか?」
「ええ。でも、もう・・・。」
「境界が暴走した際、時空の歪みが、あちらの世界と繋がった時に、迷い込んでしまったのでしょうね。」
「ええ、おそらく・・・。」
「・・・。」
「仕方がありません。ここは、ダークレア。それも、闇の境界の中でも、最も女神の悪夢の穢れが激しいスルーバですから・・・。」
「・・・そうですね。私達のように、元は人であっても、闇の女神官になり、自らの体内に盟約の宝玉を取り込んでいるならまだしも、普通の生き物なら、ここにいるだけで、生命そのものを穢されてしまいますから・・・。」
「・・・治癒術は、既に生気を失った生命には、効果はありません・・・・。例え無駄だと、わかってはいるのですが・・。」
エクレールがそう言うと、再び、手が白く光った。だが、先程と同様、光はすぐに消えてしまった。
「!いけません!エクレール様!いくら貴女が優れた治癒師とは言え、そのように何度も御力を使われては・・・!」
「大丈夫です、カスティア。この世界を、命ある全てを、誰にも気づかれぬよう、護り続ける。その為の盟約の守護者です。その為の力です。それに・・・。」
「・・・エクレール様?」
エクレールの頬に、ひとすじの涙がこぼれた。
「失われたものは、戻せない・・・。そして、産み出す事も、私には・・・。」
「エクレール様・・・。」
カスティアは、何か言おうとしたが、黙り込んだ。そして、そのまま、エクレールを慰めるように、優しくその傍らに寄り添った。

その頃。
マナレージのハイクレリック・レオナルドの元を、一人の青年が訪れた。
ふわりと風に揺れる金色の髪。澄んだ空色の瞳。
整った顔立ちから自然とかもし出される、上流階級の雰囲気に似つかわしくない、屈強な身体つき。
彼は、マナレージ近郊に住むとある貴族の子息で、先日、若くして、広大な領地と当主の座を受け継いだばかりだった。
「お久しぶりです、レオナルド様。」
「おお、よくぞ参られた。御当主になられたばかりと聞くが、もう大分落ち着かれたようじゃな。」
「・・・いえ、その事で、レオナルド様にご相談があって、参った次第でございます。」
「ほう?いいだろう、話してみなさい。」
青年は、話を続けた。
「実は、私が家督を継ぐにあたり、代々の継承の儀をいくつか執り行う必要があるのです。ですが、その最後の一つを詳しく記した書物が、どうしても見当たらなくて、それで困っているのです。おそらく、前回の継承の儀の際、どさくさで、失われてしまったのでしょう。同じものを探そうにも、古い書物なので、どこにでもあるものではなく、考えた末、思い出したのが、サイレンス修道院です。確か、あの一番奥の間には、まだいくつか古の書物が保管されていましたよね。もしかすると、そこになら、同じものや手がかりがあるかもしれません。レオナルド様。どうか、私に、サイレンス修道院に入る許可をいただけませんか。そして、もし、書物が見つかったなら、それを、しばらく貸していただきたいのです。」
レオナルドは、青年の話をじっと聞いた。
「ふむ・・・。そういう事情ならば致し方ない。よろしい。このレオナルドが許可しよう。だが、修道院の内部には、あの忌々しい黒いキューブのせいで、凶暴化した魔物が数多く徘徊しておる。そなた一人ではとても・・・。」
「大丈夫です。こう見えても、その昔「疾風怒濤のレオナルド」ご本人自らに鍛えていただき、その上恐れ多くもセントヘイブン大聖堂を守護する神殿騎士のお誘いまで受けた位です。六英雄のお一人であるテラマイ様まではいかなくとも、その辺りの魔物相手なら、負ける気はしませんよ。」
レオナルドはそれを聞いて、少し誇らしそうに笑った。
「そうか、そうじゃったな!本当に、そなたが時期領主の身でなければ、このワシが直々にベネディクト教皇様に直接大聖堂に推挙しに行ったものを!あいわかった!道中、気をつけてゆくがよい!」
「ありがとうございます!」
こうして、青年は、マナレージを後にし、サイレンス修道院へと向かっていった。

・・・。おかしい。何かがおかしい・・・。
修道院の中に入った青年は、道中出くわした魔物を何体か倒し、そして、奥の堂へたどり行き、見事に目当ての書物を見つけた。
だが、戻る道中、歩いても、歩いても、本堂の入り口が見えてこないのだ。
途中で、大きな中央扉を抜けた時、急に身体が重くなるのを感じた。あれから、ずっと、得体の知れない息苦しさがとれない。
しかも、あのあたりから、魔物の一匹すら出てこなくなった。なんだこの奇妙な違和感は・・・。一体・・・。
蝋燭の火が消えかけてきた。懐から、予備の新しい蝋燭を取り出し、灯りをすげ代える。
これが、最後の一本か・・・。確か、数十本の予備を持ってきて、来る際に使ったのは2本だけだったのに・・・。
・・・この暗闇は、どこまで続いているんだ・・・。一体、いつになったら、出口が見えてくるのだ・・・。
いや、そもそも、修道院はこんなに広く大きかったのか?いくら先を灯りを照らしても、何も見えず、何も聞こえない。
足元を照らしても、真っ暗で、修道院の石畳すら見えない。まるでこれは・・・。
一歩、また一歩と踏み出す度に、だんだんと、息苦しさが増してゆく。
頭がぼうっとする・・・。息が・・・息が・・・出来ない・・・。何故・・・・。
やがて、最後の蝋燭の火がすうっと消えた。
たちまち青年は、墨で塗りつぶしたような暗闇に閉じ込められた。
あかりが消えた途端、手足も少しずつ重くなっている気がする。
前に進む度に、少しずつ、少しずつ、じっとりと闇を含み濡れた綿が、ひとつ、またひとつと、四肢に絡みつくかのような気味の悪い感覚が青年を襲う。
青年は、息も絶え絶えに、必死で重い足を動かしながら、残る力を振り絞って自身の足元をじっと見つめた。
だが、いくら目を凝らしても、暗い海の底のような濃く重い闇が立ち込めるだけで、やはり何も見えなかった。
あかり・・・。出口は・・・どこ・・・だ・・・。
こんな、こんなところで、倒れるわけ・・・には・・・。
視界が、ぐにゃりと揺れた気がした。
意識を失いかけた、その時だった。
どこからともなく、声が響いた。
「悪夢より生まれし漆黒の穢れ達よ。古の盟約に基づき、境界の彼方へ退きなさい。」
途端に、身体が、ふわりと軽くなり、何かから解き放たれた気がした。
この声は・・・。女・・・?!
・・・・。
青年は、そのまま、バランスを失って、静かにその場に倒れ込んだ。

・・・。
・・・。どうか。
どうか、眼を覚まして・・・。
「・・・お願いします。女神よ。どうか、この方を・・・。」

青年は、静かに目を開けた。
見ると、傍らに、一人の女性が座っていた。
彼女は、青年を、心配そうにじっと見つめていた。
陶器のような青白く透き通った肌。泉の水底のような淡い透明な水色の瞳。
白と黒の仮面と祭祀衣を身に纏い、神秘的で不思議な気配を持ったその女性は、嬉しそうに言った。
「・・・!ああ、女神よ、感謝します。もう大丈夫です。身体の穢れは全て浄化しました。」
「・・・穢れ・・?私は一体・・・。」
青年は、周りを見渡した。
「ここは・・・・?」
そこは、先程までいたサイレンス修道院とは明らかに異なる場所だった。
青年が休んでいた家も、家というより、その辺に転がっている枯れ木を寄せ集めて、外観だけ家らしく整えたかのような、造形物に近いものだった。
窓らしきものから外を見ても、どこまでも荒涼とした大地が続いていた。遠くにところどころ枯草らしきものが生えているようだったが、他に植物らしいものも、木も、建物も、何もなかった。どこを見渡しても、朽ちかけた木々ばかりだった。
「私は、確か、サイレンス修道院の奥の間から出口に向かっていたはずなのに・・・。
あの近くに、こんな場所ではなかったはず・・・。
いや、それどころか、王都の近くにも、テル・ヌマラ近郊にも、エルフの国アレンデルにも・・・。一体ここは・・・。」
「ここは闇の境界スルーバです。」
「スルーバ・・・?」
「あなたがいたというサイレンス修道院、あそこには、闇の力が込められた黒のキューブがあります。おそらくですが、魔物を討伐した際に破損したキューブから開放された闇の力が暴走し、あのあたりの次元空間を歪ませてしまったのではないでしょうか。あなたは、知らぬ間にその歪みを通り抜け、この境界の狭間に入り込んでしまったのです。」
「そうか・・・。あの中央扉を開いた時に感じた身体の重みは、そのせいだったのか・・・。あの息苦しさはそれで・・・。」
「・・・穢れによって、汚染が始まっていたからでしょう。本当に危ないところでした。もう少し浄化が遅ければ、心身ともに闇に侵され、二度と目をさます事はなかったでしょう。」
「・・・闇の、境界・・・。」
「・・・普通の人間ならば、歪んだ空間を抜けただけで、昏倒してしまってもおかしくありません。貴方は、多少ではありますが、闇に対する耐性をお持ちのようですね。あと、わずかな時間でも生きていられたのは、この書物のおかげでしょう。」
女性は、青年が苦労して手に入れた例の書物を、そっと取り出し見せた。
「それは・・・!」
「この本には、闇の盟約の紋章を精製するのに必要な材料と、精製用の魔法陣、そして、精製の際に使用する呪文が書かれていました。まだこのような書物があちらの世界に現存していたのには驚きです。おそらく、ここに書かれている魔法陣の写し絵が、微細ではありますが、境界の穢れから本の持ち主を護る効果を発揮したようですね。」
女性は、書物をそっと青年の手に戻した。
「そうでしたか・・・。いずれにせよ、私は九死に一生を得たようだ。本当にありがとうございます。」
「これも女神の御意思です。私は、その御意思に従ったまでのことです。」
優しく微笑むその女性の眼差しの中に、青年は、不思議な懐かしさを感じていた。
「あの・・・。どこかでお会いしたことは、ありませんか?」
女性は、何も言わなかった。
「さぁ、お眠りなさい。光の世界のお方。そして、ここの事はどうかお忘れになってください。」
「え、あ、・・・!待って・・・!待ってくれ・・・!」
「お元気で・・・。もう、二度とお会いすることはないでしょう・・・。」
彼女の白い手が、青年の瞼を覆った。
その途端、青年は、ふぅっと、気が遠くなった。
忘れかけていた、遠い記憶が、甘やかな香りと共に、脳裏をよぎる。
「・・・あなた・・・は・・・。」
青年は、何かを思い出しかけた。だが、意識と共に、記憶は次第と薄らいでいった。

気づくと、青年は、マナレージの教会の一室で、横になっていた。
「おお、気づいたか!」
レオナルドが、そばにいた。
「・・・レオナルド様・・・?ここは一体・・・?」
「マナレージだよ。連絡をもらって、すぐさま駆けつけたのだ!」
「ご心配を・・・おかけしました・・・。」
「いやいや!昏倒したそなたを見た時は、心臓が止まるかと思ったが、書物も見つかって何よりじゃ!」
枕元に、見つけた書物が置かれていた。
「・・・レオナルド様。連絡・・・とは・・・どこから・・・。」
レオナルドは、はっとした。
「・・・あの人ですね?あの人が、レオナルド様に私の事を知らせたのですね?」
「いや、それは・・・。」
「教えてくださいレオナルド様!あの人は一体何者なんですか?」
「落ち着け!興奮するでない!身体の穢れは祓われたとは言え、命を落とす寸前だったのだぞ!」
「知りたいのです・・・。何が起こったのかを!あの場所、闇の境界とは、スルーバとは一体何なのですか?!」
レオナルドは、ため息をついた。
「・・・ワシも実は、はっきりしたことは知らないのだ・・・。」
そういって、レオナルドは、青年に、自分の知っている事だけならと、話してくれた。
「彼女達は、闇の女神官といって、その存在は、ごく一部の者にしか知られておらぬ。
一般に知られている女神の教団とは違って、彼女達の属する闇の教団は、けして世間に姿を現すことのない秘密の教団じゃ。
例えるなら、女神の教団が女神アルテアの光だとするなら、闇の教団と闇の女神官は、まさしく女神の闇そのもの。
彼女たちは危険な任務を遂行しながら、自分たちなりの信仰を守っていると言われておる。」
「闇の・・・教団・・・。」
「そなたが見たという、闇の境界。
そこがいつから存在するのかをはっきり知るものはいない。
わかっているのは、普通の人間はそこに近づくだけで、魂を闇の力に奪われてしまうということ。
つまり・・・。やがては死ぬということじゃ。」
「・・・彼女達は、どうして、平気でいられるのですか?」
「闇の女神官は、女神官に選ばれたその時から、体内に盟約の力を宿した宝玉を埋め込まれ、それが、闇の汚染から魂を護っているらしい。
彼女達は、その力で、闇の力がこちら側の世界まで及ばぬよう、防いでいると聞く。
言わば、彼女たち自身が、強力な魔法障壁なのじゃ。」
「なんと・・・。女性の身で、そのような危険なことを・・・。」
「あと、闇の女神官の中には、そうした守護の力だけでなく、癒す力を持つ者もおると聞く。そなたの命を救ったのは、その治癒の力をもった女神官であろう。」
癒す力・・・。治癒の法術・・・。
青年は、何かを思い出しかけた。
「彼女達は、外部との接触をひどく嫌う。もうおそらく、二度と会うことはあるまいよ。」
「・・・。もう一度、あの人に、あう事は出来ない・・・と?」
レオナルドは、それを聞いて、青年をたしなめた。
「馬鹿なことを考えるものではない。そなたも身をもって知っただろう。闇の境界は、光の世界に住むわれわれの命を蝕む。だがそれは、闇に住むものも同じ。彼女達、闇の女神官は、こちら側の世界に来ることは出来ぬ。」
「なぜですか?」
「彼女達も、もとは普通の人間だった。だが、長い間、闇の境界で過ごし闇に限りなく近い存在となった為、こちら側では長く生きられなくなってしまったのじゃ。我々が闇の境界に近づくだけで、命を吸い取られるように、こちらの世界は、彼女達を生命を蝕むのじゃ。」
青年は、それを聞いて、はっと気づいた。
あの瞳は、あの時感じた懐かしさは・・・。
「そんな・・・そんな・・・・。」
「何故そのようなことを気にかける・・・?おぬし・・・。」
「レオナルド様・・・。あれは・・・。あの人は・・・。」
「?どうした?」
「思い出した・・・。あの顔は・・・。」
青年は、泣き出しそうな顔をしながら、言った。
「あの人は、2年前に、亡くなったはずの、私の婚約者・エクレールです・・・。」
「!!なんと・・・!」
「彼女の家は、代々、巫女の家系でした・・・。
幼い頃から、不思議な力を持っていた、と言っていた・・・。
でもそんなことは関係なく、私は、彼女を愛していた・・・。
だけど、突然彼女が流行病で死んだと聞かされ・・。
私は、ただ、あまりにも突然の事で、驚く暇もなく・・・。
遠くから駆けつけた時には既に葬儀も埋葬も終わった後で・・・。
皆、ただ忘れろとだけ・・・。そうか、生きて・・・。生きていた・・・。」
レオナルドは、悲痛な表情を浮かべた。
「なるほどな。おそらくは、その頃、女神官としての資質に目覚められたのじゃろう。
女神官の存在は、あくまで秘密裡のもの。
女神官となったその時、教団が、こちら側の世界での全てを抹消したんじゃろうな。
・・・だが、忘れなさい。違った世界に生きるもの同士、共に生きることは決して叶わぬ・・・。
忘れることが、二度と会わぬことが、そなたの為じゃ・・・。」
青年は、枕元の書物を、そっと手で撫でた。
「エクレール・・・。」
そして、窓から見える白い山間の、遠くを見つめた。

「エクレール様?エクレール様!!!」
スルーバにある、女神像を修復するエクレールに、着任したばかりの女神官・ミルフィーユが声をかけた。
「えっ?あ、あぁ、ミルフィーユ、どうかしたの?」
「エクレール様ったら・・・。さっきから4回目ですよ!修復終わってますよ!それ!」
「え・・・。あら、いけないわ、私ったら・・・。」
「エクレール様、大丈夫ですかぁ?お疲れなんじゃないですかぁ?変ですよぉ?」
「いえ、何でもないの・・・。疲れている・・・。そうね、そうかもしれないわ。」
ミルフィーユは、チラっとエクレールを見て、そしてやれやれという顔をした。
「大体エクレール様は働きすぎなんですよぉ。そんなんじゃ持ちませんよ。
もっと私みたいに手を抜くときはこうボーっと・・・。」
その時、背後から声がした。
「ボーっと、何ですか?ミルフィーユ。」
ミルフィーユは、一気に直立不動の姿勢をとった。
「え!あ!カスティア様!!いらっしゃったんですかぁ?・・・エヘヘ。」
「あなたはいつもボーっとしてるじゃないの!ほら、あちら側の入口の結界は見てきたの?」
「あ、えー・・・。これから行くところですぅ。」
「早くいってきなさい!結界が綻びでもしたらどうするの?!」
「はぁーい。じゃ、エクレール様ぁ、いってきまーす。」
ミルフィーユはそそくさとその場を後にした。
カスティアはその様子を見て、ため息をついた。
「本当にもう・・・。着任したばかりだというのに、あの子は・・・。」
エクレールは、その様子を見て、くすくすと笑った。
「でも、やる時はしっかりやってくれる子だわ。」
「当然です!あれでも一応選抜された女神官です!」
エクレールはふふっと笑った。そして、ぽつりとつぶやいた。
「女神官となった時から、全てを女神様に捧げる覚悟は出来ていたと思ってたのに・・・。」
「・・・エクレール様?」
「いっそ、人だった頃の記憶も全て、捧げる事ができたなら・・・。」
寂しそうなエクレールの後ろ姿を、カスティアはただ、見つめるしかなかった。
その時。
「エクレール様ぁ!カスティア様ぁ!大変ですぅーー!!!」
結界に向かったはずのミルフィーユが、すっ飛んできた。
「何事です!?ミルフィーユ!?」
カスティアが驚いて声を荒げる。
「結界の入口に、人が、人が倒れてますぅ!早く来てくださぁぁぁい!」
「何ですって?!」
それを聞いたとき、エクレールは、ひとつの予感に駆られた。
「まさか・・・。」
ミルフィーユは、泣き出しそうな顔で、その場にへたりこんだ。
「すごく苦しそうで・・・。でもなんかうわごとみたいなこと言ってて・・・。」
「うわごと?」
「はい・・・。なんか、エクレール様のお名前だったような、そうでないような・・・。」
「エクレール様の?!」
それを聞いたカスティアが、結界へ向かおうとしたその時。
「私が行きます!カスティア、ミルフィーユ、あなた達はここに残ってて!」
「?ちょ、エクレール様?!」
「エクレール様、何を!」
驚く二人を尻目に、エクレールは、ミルフィーユのいた結界の方角へと走った。
まさか・・・。まさかとは思うけれど・・・。
エクレールは、ひたすら走り続けた。
そして、結界の手前についたエクレールの目に飛び込んできたのは。
「そんな・・・!どうして・・・!!」
そこに倒れていたのは、あの青年だった。
エクレールは、青年にかけより、ぐったりとした身体を抱き起こした。
そばに、あの書物が、転がっていた。
「何故!何故戻ってきたのです!あなたはまだ・・・!」
だが、答えは返ってこなかった。
青ざめた顔。だんだんと冷たくなってゆく身体。
「だめ・・・!!!」
エクレールと青年の身体を、白い癒しの光が包み込んだ。
「だめ・・・。いってはだめ・・・。行かないで!お願い!戻ってきて・・・!」
やがて、少し遅れて、カスティアが、たどり着いた。
「エクレール様・・・・。」
エクレールは、持てる力の全てを注ぎ込んで、治癒術をかけ続けた。
そして、ありったけの思いを込めて、心から祈った。
どうか、どうか女神アルテアよ・・・!
この方を、連れていかないで・・・!
もう一度だけ、もう一度だけ・・・。光の世界に、この方を・・・!
やがて。長い長い時間が過ぎ。
「・・・・・・エク・・・レール・・・。」
青年の睫毛が、わずかながら震えた。そして、静かに、目を開いた。
頬に、ほんのりと、赤みがさしはじめていた。
「ああ・・・!女神よ・・・!」
エクレールは、それを見て、思わず泣き出した。
「感謝します・・・。再び・・・。願いをかなえてくださって・・・本当に・・・。」
青年は、エクレールの頬に、そっと手をやった。
「泣いているの?エクレール・・・。」
「こんな、こんな無茶をして・・・!あなたは昔からそうだった・・・。いつも・・・!」
それを聞いて、青年は、ふっと笑った。
「やっぱり・・・君・・・だった・・・。エクレール・・・。」
とめどなく溢れる涙の中、エクレールは、聞き返した。
「どうして・・・。」
青年は、優しく微笑みながら、エクレールの涙をそっとぬぐった。
そして。
「君に、もう一度、会いたかった・・・。どうしても・・・。」
エクレールは、それを聞いて、青年を一層強く抱きしめた。
「・・・忘れてくれたものとばかり・・・。そうだとばかり・・・。」
青年は、エクレールの涙をぬぐいながら、一層優しい顔をした。
「・・・君が、忘れていないのに・・・?」
その瞬間。
エクレールの仮面が、音を立て、地面に落ちた。
だが、エクレールは、それを拾おうともせず、ただ、泣きつづけた。
「泣かないで・・・。エクレール・・・。」
青年は、エクレールの顔を見つめ、そして、両手で、泣き濡れた頬を、優しく抱いた。

カスティアは、そんな二人の様子を、ただ黙ってみていた。

光と、闇。

叶わない、と、知りつつも。

触れ合えば、互いを滅し合うだけなのに。
それでも、互いを、手放そうとせず。
それでも、互いに 焦がれ続け。

女神よ。

何故、このような残酷な試練を、この方にお与えになるのです。
誰よりも、貴女と貴女の闇を、心から理解しようとしている、この方に。
貴女を信じ、その身も、魂も、持てる全てを捧げようとしている、この方に。

何故・・・。


--------------------------------------------

ここまで読んでくれた方、お疲れ様でした。
自分でも書いててマジ嫌になりました。(コラ
続きはまたそのうちに。(ぉぃぉぃ

クエスト詳細確認は、いつも通り、Wikiを参考にさせていただきました。
ぎんこーさん、いつもありがとうございます。お幸せに。////// ←

それでは、またそのうちに!

あでゅw

ヾ(´∀`o)


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