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The Another side of DragonNest ~光射す中 影に寄り添う・後編~

Posted by みん on 15.2016 【ドラネスストーリー】 4 comments 0 trackback
おはこんばんちわんす。みんですん。

本日は、お話の後編です。
誰も待ってなくても書く、自己満足の鏡とは俺のこと。(

これで、後編じゃなく全く別の話だったら、面白かったんですけど。(マテ

それでは、お暇な方だけ、続きをどうぞ。

それから。
最初にエクレールに介護されたあの東屋で、二人は、ほんの少しの間だが、幸せなひとときを共に過ごした。
エクレールの献身的な介護で、青年の身体は、次第に元通り元気を取り戻していった。
そして、とうとう、別れの時が来た。

「あなた・・・これを・・・。」
次元の狭間の入り口で、エクレールは、青年に何かを手渡した。
「これは・・・?」
「これは、「盟約の紋章」です。闇の境界で生きてゆくという強い意志から生み出されるものです。
闇の女神官のみが造り出すことが出来、同じものが、私達、女神官の体内にも埋め込まれています。
これをお持ちになっていれば、闇の境界の中でも、生命を失わずにすみます。」
「エクレール・・・。ありがとう・・・。」
「ただし、これは、あくまで、あなたが次元の狭間を通り抜け、あちら側の世界に着くまでの間、あなたの身をお護りする為の、仮の護符。
紋章は、体内に埋め込まなければ、真の力は発揮出来ません。
あちら側の世界に着いたと同時に、紋章は、跡形もなく砕け散る事でしょう。」
青年は、手渡された盟約の紋章を、じっと見つめた。
「エクレール、私は・・・。」
エクレールは、青年が何か言いかけるのを、静かに首を横に振ることで、御した。
「もう、会えないのか・・・?」
エクレールは、頷いた。
「私は、私たち闇の女神官は、古の時代から、この次元の狭間にある『闇の境界』を、監視するのが務め。
本来なら、光の世界の方とは、触れ合ってはいけないのです。」
「・・・ならば、私が、ここへ通う!そうだ、この盟約の紋章!これを私も身体に埋め込めば・・・。」
エクレールは、激しく遮った。
「いけません・・・!紋章は、本来、闇の境界の力の資質があるものでなければ、扱えない危険なもの!
普通の人がそれを行えば、体内で闇の力が暴走してしまい、間違いなく命を失うことになります!
万が一、紋章がうまく馴染んだとしても・・・。もう二度と、二度と人に戻れなくなるのですよ!
・・・それだけ、光の世界の方が、この境界に留まることは、あってはならない事なのです・・・・。
・・・ましてや、あなたは、次代の領主となるお方。沢山の人達を護らねばならないお立場。
上に立つ者としての、大切なお役目があるのです。
あなたには、あちらの世界に、護るものがたくさんある。
どうか、どうかそれを忘れないで・・・。」
「エクレール!君は・・・君は、それで・・・それでいいのか?!」
エクレールは、哀しそうにうなだれた。
「・・・闇の力は、日々、増大しています。このままでは、闇は、世界中に広がり、そこに暮らすもの全てを破滅へと導くことでしょう。あなたも、あなたの大切なものも全てを・・・。
私は、それを防ぎたいのです!あなたが大切だから、あなたを、愛しているからこそ・・・私は・・・私は・・・!」
「エクレール・・・。」
「それに、私は、もう、幸せです・・・。あなた・・・。
もう二度と会えないと思っていたあなたに、こうしてお会いすることが出来ました。
それだけでも充分過ぎる程なのに、少しの間でも、あなたと一緒に過ごすことが出来ました・・・。
私は、それだけで、それだけで・・・。」
エクレールの瞳に、涙が滲んだ。
青年は、エクレールを、抱きしめた。
「いつか・・・。いつかきっと、君を迎えに来ることが出来たら、その時は・・・。」
「あなた・・・。」
それは、けして、果たされることのない約束だということは、互いに気づいていた。
継承の儀を終え、名実共に領主となった青年には、望むと望まないに関わらず、その身分にふさわしい家柄の娘を妻に娶り、そして子を成し、次世代の後継者へと繋いでゆく義務がある。
彼が、父親から、受け継いだものを、彼もまた、自身の子へと、渡さなければいけないのだ。
それは、領主だからこそ抗えない責務。かの家に生まれた者が守らなければならない重き古き伝統。
それを承知で、敢えてその言葉を口に出さすにはいられなかった青年の思いに、エクレールは、胸が張り裂けそうな気持ちになった。
「さぁ、もうお行きになって・・・。」
盟約の紋章が、鈍く光った。青年は、身体ごと、次元の境界へと深く、吸い込まれていった。
「エクレール・・・!」
彼方へと消えてゆく青年の姿を、エクレールは、いつまでも、いつまでも、見送っていた。

あなた・・・。
エクレールは、その場で泣き伏したい思いに必死で堪えた。
そして。
突如、目の前の景色が、怪しく揺れた。
エクレールは、激しい眩暈を覚え、その場に崩れ落ちた。
「エクレール様っ!!!!!!!!」
倒れたエクレールの傍に、カスティアが駆け寄った。
「しっかりなさってください!エクレール様!エクレール様!」

間もなく、エクレールが目を醒ましたそこは、闇の教団の教皇の間だった。
エクレールの身を案じたカスティアが、教団本部に知らせたのだろう。
そこには、神妙な表情を浮かべた教皇と、カスティアがいた。
「ここは・・・。」
教皇は、黙って、エクレールの手を握った。
「エクレールよ。心配はない。度重なる力の行使で、少し弱っていただけだ。」
「教皇・・・。申し訳ございません・・・。」
カスティアは、エクレールを、心配そうに見つめた。
「エクレール様、その・・・。」
教皇は、カスティアに、何も言うなと首を横に振った。
「カスティアから、ここしばらくの間に起こったこと、全て聞いた・・・。」
それを聞いたエクレールは、その場に平伏した。
「き、教皇様・・・!も、申し訳ありません!
この度の事・・・。光の世界の方を、しばらくの間とは言え、境界内にとどめおくと決めたのは、私の独断でございます!
カスティア達には、何の咎もございません!罰するなら、どうか、私だけを・・・!どうか・・・!」
「エクレール様!何をおっしゃいます!?」
「いいのです、カスティア。本当の事なのですから。あなた達には、何の責任もありません。」
「ですが・・・!」
その様子を見た教皇は、二人をたしなめた。
「その事については、もうよい!・・・二人とも、控えなさい!」
「・・・?教皇様・・・?」
教皇は、平伏すエクレールの元にかがみこみ、そして、肩に手を置いた。
「のう、エクレール・・・。そなた、まだ気づかぬか・・・?」
エクレールは、それを聞き、不思議そうな顔をした。
「自身の身体の不調について、何か気づくことはないか、と聞いておるのだ・・・。」
カスティアは、見ていられないという風に、エクレールから顔をそらした。
「・・・?いえ、ただ、ここしばらく、おかしな気だるさと共に、身体が妙な熱さを持っているような気がしておりました。
おそらくは、法術の行使の負担が出ているのかと・・・。」
教皇は、ふっと笑った。
「・・・さすがのそなたも、自身の事に関しては、わからぬか・・・。」
「・・・教皇様、何がおっしゃりたいのですか?まさか、私の宝玉に何か問題でも・・・?」
「そうではない。そら、そのような冷たい床の上では、身体に障る。こちらへかけなさい。」
教皇は、エクレールに、寝台に腰かけるよう促した。
エクレールは、言われるまま、教皇の言う通りにした。
「そなたが、普通の人の身であったなら、既に気づいておったかもしれぬな・・・。」
「・・・?」
「よいか、エクレール。心して聞くがよい。」
「・・・はい・・・?」
「そなたは、今、体内に、新しい生命を宿しておる。」
エクレールは、それを聞いて、一瞬耳を疑った。
「・・・!?なんと・・・今、なんと、おっしゃられたのですか?!」
教皇は、ため息まじりに、続けた。
「驚くのも無理はない・・・。このような事、私が教皇に就任して以来、初めての出来事じゃ。
私も最初はまさかと思った。だが、間違いない。そなたは、子を宿しておる。」
「そんな・・・。そんな・・・。」
「これも、女神の御心のうちか・・・。不思議な事だ。闇の女神官と人の間に子供が出来るとは・・。
だが、エクレールよ、哀しいことだが、その子が無事に産まれてくる可能性は、極めて低い。」
「・・・え・・・。」
「今言ったとおり、本来、闇の女神官と人間との間に子供が生まれることはあり得ぬ。
女神官は、人であって人ではない。そのお前が、赤子を授かったというのは、まさに奇跡。
・・・だが、長い間、闇の境界で生きてきたそなたの身体は、普通と人間とは異なっている。
それゆえ、その赤子は、母であるそなたと同じく、闇の境界の力を強く受けざるを得ないであろう。
赤子が、無事、五体満足で産まれるかどうかすら、全くわからぬ・・・・。
いや、たとえ無事産まれても、この世界にも光の世界にも属せず、長く生きられず、いずれは死ぬ運命・・・。」
「そんな・・・。」
教皇は、辛そうに続けた。
「・・・その子の為を思うなら、今のうちに、安らかに死なせてやるのが、せめてもの・・・。」
エクレールは、それを聞いて、強く反対した。
「・・・出来ません!それは出来ません・・・!教皇様・・・!」
「エクレール様・・・。」
カスティアが、思わず声をかける。
「エクレール、わかっているのか・・・?その子だけでなく、お前自身の身にも・・・。」
「わかっております・・・。わかっております、教皇様!ですが・・・!」
エクレールは、お腹をそっと撫でた。
「例え短い一生だとしても、今ここにいる命を摘み取るなど、私には出来ません!
お願いします・・・。お願いします・・・。どうか御慈悲を・・・。」
エクレールは、必死で懇願した。
教皇は、沈鬱な表情を浮かべた。
「・・・そこまで言うのなら、もう何も言うまい。エクレールよ。だが、忘れるな。その時がきたら・・・。」
「わかっております。その時がきたら・・・。」
エクレールは、深々と頭を下げた。

やがて月は満ち、エクレールは、境界の果ての聖所で、一人の赤ん坊を産み落とした。
赤ん坊は、父親の面影を色濃く写した、球のような男の子だった。
エクレールは、元気に泣く赤ん坊を見て、嬉しそうに、愛おしそうに微笑みかけた。
「いい子ね、坊や。あなたの名前は、もう、決めてあるの。」

名前は、「エダン」。
そう。あなたの名前は、「エダン」。
意味は、忘れられた古の神様の言葉で、「古くからの約束」。
エダン。
母は、約束します。
この世界と、そこに住むあなた達を、ずっとずっと、護ってゆくと。
この私の命に代えても。

だが、女神は、更に過酷な運命を、容赦なく、母と子に投げかけるのだった。

エダンは、エクレールの元で、最初は元気に育っていた。
だが、日を追う毎に、少しずつ、少しずつ、次第に弱っていった。
そして、1歳の誕生日を迎える前、ついに、床から出ることすら叶わなくなった。
エクレールは、わが子を回復を祈って、昼夜問わず治癒の法術をかけ続けた。
カスティア達が、休むように言い聞かせても、エクレールは一向に聞こうとしなかった。
だが、その甲斐なく、法術をかけ続けても、エダンの体調が快方に向かうことはなかった。

「もう、限界です、エクレール様・・・。」
カスティアは、ため息をついた。
「教皇様がおっしゃられたように、やはり、この境界では、エダン様は・・・。」
エクレールは、苦しそうなエダンを、じっと見つめた。
そして、何かを決意するかのように、立ち上がった。
「?エクレール様、何を・・・?」
「・・・この子を、父親の元へ、つれてゆきます・・・。」
「?!エクレール様?!」
「闇の境界の力が、この子の命を蝕んでいるのだとしたら、もしかしたら、あちら側の世界でなら、この子は生きながらえる事が出来るかもしれません・・。いえ、きっと、そうなるはずです。光の世界でなら、きっと生きていける。」
「そんな・・・!ですが、間違いなく、エダン様は、貴女様の血を受け継いでいらっしゃいます!
あちら側の世界で生きていける保証など、どこにもありません!
もしかしたら、あちら側についたとたん、お命を落とされるかもしれませんのに・・・!」
「それでも!!!!」
エクレールは、振り絞るかのような悲鳴をあげた。
「・・・それでも、このままだと、この子は確実に死んでしまう!
・・・カスティア、私は、可能性がわずかでもあるなら、それに賭けたいのです・・・!」
「エクレール様・・・。」
「それに、例え儚い命だとしても、この子に光の世界を見せてあげたい・・・。
この子の父親が生まれ育った世界を・・・。あの美しく眩しい光に満ちた世界を・・・。」
「エクレール様・・・。」
エクレールの真摯な母心が、カスティアの心を強く揺さぶった。
「・・・ですが、どうやってあちら側に行くのです?私達に境界の結界を越えることは出来ません・・・。」
エクレールは、境界の彼方を指差した。
「いいえ、この闇の境界にいくつかある次元の歪みの中には、いくつかの条件が揃えば、光の世界に飛び込むことが可能なものもあるはずです。あちら側から、強く、歪みを感じます。それを探し出すことが出来れば、そこから、あちら側へと行けるはずです。」
「エクレール様!それは・・・!」
「わかっています。そうすることによって、一時的とは言え、あちら側の世界に闇の力が大きく干渉します。下手をすれば、世界のバランスが著しく狂い、取り返しのつかないことになるかもしれません。
・・・それゆえ、我々があちら側の世界へ行くことは禁忌とされているのですから。」
「わかっていらっしゃるのなら、何故・・・・。」
「大丈夫です、カスティア。そうならないよう、あちら側の世界へ着いたと同時に、私が、次元の歪みを塞ぎ、闇の流出を防ぎます。歪みそのものを塞いでしまえば、闇の力がそれ以上あちら側へ干渉することはありません。」
「・・・そんなことをすれば、エクレール様ご自身が危険に晒されます!私達はあちら側に長く存在することは・・・!」
「心配しないで、カスティア。闇の境界から出たとしても、すぐに私の命が失われることはありません。
・・・今しばらくは、法術を用いて、持ち堪えることが出来るはずです。」
「ですが・・・!」
「・・・もう決めたのです、カスティア。どうか許してください・・・。」
「エクレール様・・・。」
「・・・カスティア。あなたには、本当に感謝しています・・・。
エダンの事だけでなく、本当に・・・。」
「何を、何をおっしゃるのです・・・。エクレール様・・・。」
「・・・あなたなら、私がいなくなっても、このスルーバを管理し、境界を護ることができます。」
「そんな!そんなこと、おっしゃらないでください・・・。もう二度と逢えないみたいに・・・そんな・・・!」
カスティアは涙ぐんだ。エクレールはそれを見て、微笑んだ。
「ありがとう、カスティア。」

女神よ、どうか、貴女の御意思に一度だけ背くことを、お許しください。
そして、出来ることなら、女神よ。
・・・この子を、お護りください。

エクレールは、喘ぎ苦しむエダンを抱き、そのまま、境界の一番奥にある、次元の歪みへと向かっていった。

「エクレール!!!!」
マナレージの教会に、レオナルドから知らせを受けて、青年が飛び込んできた。
「・・・あなた・・・。」
次元の歪みを抜け、この世界へとやって来たエクレールは、まず、自身の抜けてきた歪みを閉じた。
そうして、マナレージに住む、レオナルドの元へと向かい、青年に連絡をとってくれるよう頼んだ。
だが、思ったよりも、力の消耗が激しかった為、エクレール自身、既に動けなくなってしまっていた。
「どうして・・・どうして君が・・・。」
「あなた・・・ごめんなさい・・・。」
青年は、床に伏すエクレールを、強く抱きしめた。
そして、傍らにいる、赤ん坊を見た。
「エクレール・・・。この子は・・・。まさか・・・。」
エクレールは、力なく、微笑んだ。
「私達の・・・。息子よ・・・。」
青年は、驚きのあまり、最初は声も出なかった。
しかし、見る見るうちに、歓喜に満ちた表情を浮かべた。
「そうか・・・。私たちの・・・。ありがとう、ありがとう、エクレール・・・。」
エクレールは、その様子を見て、幸せそうな笑顔を浮かべた。
「君に、似ているな・・・。名前は・・・。」
「エダンです、あなた。」
「そうか、エダンか・・・。いい名前だ・・・。エダン・・・。」
青年は、赤ん坊を、おそるおそる抱き抱えた。
赤ん坊も、初めて会う父親に抱かれ、安心するかのように、すやすやと眠っていた。
一時前までの、あの苦しそうな姿が、嘘のようであった。
エクレールは、その様子を見て、確信した。
やはり、この子は、人として、生きるべきなのだ・・・。
「あなた・・・。」
「・・・どうしたんだ、エクレール。」
「この子を、エダンの事を、どうか、お願いします・・・。」
「・・・勿論だ。そして、君も一緒だ、エクレール・・・。」
「・・・いいえ、私は、一緒にいることは出来ません・・・。」
それを聞いて、青年は、驚いた。
「そんな・・・!何を言い出すんだ!エクレール・・・!」
「あなた、以前もお話した通り、私は、こちら側では永くは生きれません・・・。
この子も、私と同じように、闇の境界の力を受け継ぐ以上、そうなるものだとばかり思っていました。
ですが、この子は、あなたの子。人間として、この世界で、光の中で生きるべき子。
どうか、私の代わりに、この世界で、この子を、見守ってやって欲しいの・・・。」
「エクレール・・・。君は、その為に、命の危険を犯してまで・・・。」
「勝手な事を言っているのは、十分承知しております・・・。ですが・・・。」
「君は・・・。そうまでして・・・。」
「そして、私の事は・・・死んだ、と、教えてください・・・。」
「・・・エクレール!!!聞こえるか!!エクレール!!!」
「あなた・・・。お願い・・・。お願いします・・・。どうか・・・。」
その時だった。
「危ないところでございましたな、エクレール様。」
不意に後ろから、声がした。
見ると、部屋の入口に、エクレールと同じ祭祀服姿をした、男性とも女性とも見分けのつかない二人の神官が現れた。
「お迎えに参りました、エクレール様。」
「あなた方は・・・。」
二人のうちの一人が、答えた。
「教皇様からの使いのものです。エクレール様をお連れするようにとのことです。」
青年はそれを聞いて、激昂した。
「何を・・・。突然押し入ってきて、無礼な!エクレールは私の妻だ!勝手に連れ出すことなど、許さぬ!!」
「領主殿、失礼します。」
そう言って、神官は、止めようとする青年を素早く押さえ込んだ。
「放せ!放さぬか!」
青年は必死で抵抗した。だが、ものすごい力に抑え込まれ、身動き一つ出来なかった。
「あなた・・・。」
もう一人の神官が、エクレールを抱きかかえ、そのまま入口へと向かっていく。
そして、尋常でない空気に触発されるかのように、赤ん坊が大声で泣き出した。
「エダン・・・。エダン・・・。」
「エクレール!行くな!」
そんな三人を見て、神官達は、もの哀しそうな表情を浮かべた。
「エクレール!エクレール!!!」
「あなた・・・。どうか、エダンを・・・。」
エクレールは、そのまま、連れ出された。
青年が、神官を振り切って表に出たとき、エクレールの姿はどこにもなかった。
神官は、そんな青年を、鎮痛な面持ちで、じっと見ていた。
「領主殿・・・。申し訳ありません・・・。ですが・・・。あのままでは・・・。」
「・・・わかっている・・・。わかってはいるんだ・・・。だが・・・。」
青年は、まだ泣きじゃくるエダンを、愛おしそうに見つめた。
そして、あやすように、そっと、エダンを胸に抱いた。
「エダン・・・。そなたにも、母が去ったことが、わかるのか・・・。」
エダンを抱き、哀しみにくれる青年に、神官は、続けて言った。
「領主殿。くれぐれも、エクレール様を追って、闇の境界へ再び入られることのないように・・・。
サイレンス修道院の歪みは、閉じられました。もうあそこから境界へ侵入することはできませぬ。
たとえ、他の歪みから、境界に入れたとしても、エクレール様には、もう二度と会えませぬ・・・。」
「・・・どういうことだ?」
「・・・闇の境界で生きる者が、こちらの世界に来る事は、禁忌なのです。
エクレール様は、それを承知で、禁忌を犯された。
禁忌を犯した者には、それ相当の処罰が下されます。
この先、エクレール様は、我々ですら立ち入る事が及ばぬ、境界のそのまた奥の地・・・。
聖所にて永きの謹慎を申し渡されることになるでしょう・・・。」
「・・・なんと!!・・・そなたたちは、それでも・・・!」
神官は、辛そうに言った。
「私達が、そのような事を、したくて行うとでもお思いか!」
「・・・!」
「・・・そうまでして、禁忌を犯してまで、あなたにエダン様を託した、エクレール様の御心を・・・。
どうか、どうか、お察しください・・・。領主殿・・・。」
「・・・。」
「・・・。領主殿。たとえ、世俗の縁が断ち切れたとしても、縁というものは、特に血の繋がりは、けして断ち切れることはありません・・・。あなたと、エクレール様が、時を経て再び出会ったように、例え今は離れても、いつかまたお二人の進む道は、きっとどこかで一つになる・・・。けしてなくなることはないと、そう思います。全ては女神の御意思・・・。いつかまたきっと・・・。」
「・・・女神の・・・意思、か・・・。」
青年は、泣き疲れて眠るエダンを、優しく撫でた。

エクレール・・・。
君の願い通りに、この子は、私が守ろう・・・。
君が、命を賭けて、託してくれた、私達の子を・・・。
そして・・・。
もう一度、君に会えたら・・・。
今度こそ・・・。

そして。
連れ戻されたエクレールは、闇の境界の奥深くにある聖所で、永の謹慎を言い渡された。
闇の境界の拡散を防ぎ、祈り続ける日々の中、エクレールは、そっと、思いを馳せる。

エダン・・・。

あなたをこの手で育てることの出来ないこの母を、どうか許してください。

これが、私の選択。そして、私の運命。

遠くからですら、あなたを見守る事も、叶わず、あなたの為に、何もしてあげれない・・・。

エダン。

この先、あなたの中に眠る力は、あなたを光へと導き、そして、闇へと誘う。
あなたが、光射す道を選んだとしても、その道は、長くて、とても険しいもの。
そして、光の中を歩き続ける限り、闇もまた、常に、あなたの傍に、在り続ける。
それ故、闇は、いつかあなたを、その大きな力ごと飲み込もうとするでしょう。

だけど。

あなたなら、きっと、その奥底にある闇の哀しみを知り、そして、寄り添う事が出来るはず。
盟約の守護者の血を持つあなただからこそ。

そう。

闇に身を委ねるのではなく、闇を受け入れ、そして、その真の姿に気づくことが出来たその時。
あなたの中に眠る本当の力が目覚め、一層眩しく、輝きを増すことでしょう。

どうか、その力で、この世界に生きる全ての人々の希望になってください。
あなたなら、この古から続く悠久の悪夢から、世界を目覚めさせることが出来るかもしれない。

あなたなら。

・・・いいえ、どんな道を選んでもいい。
どんな生き方をしても、かまわない。

あなたが幸せならそれで、それだけで。

決められた運命など、どこにもないのです。
あなたの思うままに。あなたの選んだ道を。

あなたらしく生きていってほしい。
それが、それだけが、私の願い。

私の、エダン。

愛しい、息子。

いつも、あなたの事を、祈っています。

あなたを、愛しています。

この先、もう二度とあなたと会うことが出来なくてもそれでも。
この運命を、私は、後悔することはないでしょう・・・。

エクレールは、心から祈り続けた。



そして。その十数年の後。

運命は、再び、交差し、女神の業によって、再会は、果たされることとなる。

・・・彼の地にて。


----------------------------------------

ここまで読んでくれた方、お疲れ様でした。
強引な展開ではありますが、書き終えて何よりです。

最初の設定から随分変わりましたが、結局、クレリックのパパの名前を決められなくて、終始「青年」で通しちゃいました。適当につければよかったんだけど、なんとなーくしっくりくるものがなかったので・・・。ちょろっとだけ出演のつもりが、結構出ちゃいましたね。名前つけてあげればよかったかな~。まぁいいや。(ぉぃ

本当はもう一人ダークレアにいるシューも出したかったし、せんとへーぼん在住のモカちゃんやタルトちゃん、時空の庭園のマドレーヌちゃんも総出演させたかったけど、これ以上話がでかくなると、もう書くことがイヤになるので、割愛。(
最初の設定では、次元の歪みからアルテイアに逃げた穢れを追っかけてきたエクレールとクレパパが出会って互いに一目惚れするぱてぃーんだったのですが、それだとあまりにもうっぷっぷー(ナニソレ)だったので、やめました(〃ノωノ)
クレリック絡みということで、レオナルドさんに出てもらいましたが、ギリギリまで、あの役をエノックにするか、はたまたジャーメインにするか(ヨハンの選択肢は全くなかった件)悩みましたが、やっぱシルバー優先ってことで。

前回に引き続き、クエストの詳細確認は、Wikiを参考にさせてもらいました。
いつもありがとうございます。

どりゃねす全然してないけど、お話はまた書きたいなと思います。えへ。

それでは、読んでくださってありがとうです!

あでゅw

ヾ(´∀`o)


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▶ Comment

 
みんちゃ、前半、後半の長文お疲れ様でした。^^

何だろう、、この展開。 私の中ではちょっと演歌っぽい。w
そっかぁ!エクレールさんは「岸壁の母」なんだ!(えっ?
まぁこの場合「岸壁」ならぬ「境界の母」だな。うん。

てかこの後に「境界の母」になるんだな。(をぃ!

♪母は来ましぃ~たぁ ♪今日も来た
♪この境界(岸壁)に ♪今日も来た
♪とどかぬ願いと ♪知りながら

いぁ~、、、何も話を知らないで「イカれたママン」とか
書いてた私は恥ずいぃ。。><

でも白黒の祭祀服はまだいい、お顔はペインティングかと
思いきや、ちゃんと「白と黒の仮面と祭祀衣を身に纏い」と
書いてあった♪ これで一安心。w^^

クレ役はやっぱりレオナルド氏で正解でしょう♪^^
(確かにヨハンは無いな、うん。www)
あの役は若造には任せれないな。w^^

いぁ~楽しく読ませて頂きました。^^
お疲れ様です♪^^
2016.11.15 12:43 | URL | リギ #ReDJDbc2 [edit]
演歌わろたwwwwwwwwwwww
いやまぁDN自体がそうだけどwww

クエスト詳細確認しながら書いたけど、クレパパの描写がほぼないので
おもいきり想像盛り込ませていただきましたよ。ええ。
キーワードが多すぎて、どう繋げればいいのか苦労したけど
あとはノリと勢いになりました。いつものこと。(

私にしては長くなったので、読んでいただけただけで
本当にお疲れちゃんやで・・・w
2016.11.15 14:40 | URL | みん #JyN/eAqk [edit]
 
いやはや相変わらずいい文字を書きますなぁ・・・(*´ω`*)ホッコリ
前編・後編お疲れ様です!

かあちゃんとクレはひそかな人気があるよね!
クレパパっていたんだ~!って思うくらい
すっとはいってきましたw
まさか最後でオリジナルだったとは。
驚き(´゚д゚`)

あえて「青年」で通したのが私的にはよかったなぁって思います(*´ω`*)♥

まだAHのクエ読んでないから読んでこよ~ヾ(o゚ω゚o)ノ゙
2016.11.15 17:18 | URL | 麻井 #JyN/eAqk [edit]
長文読んでくれてありがとお゚゚+.(*ノェノ)゚+キャー

かぁちゃんクレ、私もネタで使ったことあるし(あるんかーい)
結構印象強いと思うんだ。息子に尻を向け続けるママ(
パパママの出会い、もう少し簡潔にしたかったんだけど
やっぱ、気持ちの裏付けを考えると、色々外せなくて
結局それが大半に・・・あと、ほとんどクエに登場しないから
はっきりキャラメイクをしたくなかったので、名なしにしたんだよね。
あまりに不憫だったので、見た目描写だけ少し入れました。ごめんパパ。
あと悩んだのが、クレのママハハとお兄さん。
順番からすると、え?エクレール不倫の子産んだの?(ぉぃ)になるから
そりゃやっぱどりゃねすワールド内じゃまずいよな~(ゲスい)と思って
お兄さんはめでたくママハハの連れ子」に決定しました。(〃ノωノ)キャ ←
結局出せない設定だったけど、ジュブナイル路線は守りました(キリッ
2016.11.16 11:21 | URL | みん #JyN/eAqk [edit]

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