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The Another side of DragonNest ~もう一つのドラゴンネスト【6】

Posted by みん on 21.2017 【ドラネスストーリー】 2 comments 0 trackback


 みなさん、おはこんばんちわんす!
 ドラネスしてないのにドラネスの話書いてるおばかさんです! みんです!

 さて、先週はバレンタインデーってことで、ちまたで気になるチョコがいっぱいでしたね。
 みなさんは、誰かにあげましたか? あるいはもらって食べましたか?
 私はですね、自分的に一番気になったのは、最近TVCMで見た、ゴディバのこのチョコ。

 thNB0MN29E.jpg

 『ビュッフェ ドゥ ガトーキープセイク』という、バレンタイン限定商品だそうです。
 中身は厳選されたチョコが5つ。 ケース込みでお値段税込¥3,996。 なんじゃそりゃっ!
 
 つかこれ。 少なくとも。

 男にあげるものジャナイ。(

 男性がこんなピッカピカのハートケースもらっても使い道に困る件。
 間違いなく(心だけでも)女性向きデザイン。 販売対象:女子(自称含む)。
 用途は、やっぱ友チョコとか自分へのご褒美チョコでしょうね。
 誰かもらったり買ったり食べた人いたら是非レポートよろしこ。
 
 それとですね、今私が心ときめいているのがこれなのです。
 
 菫の花の砂糖漬け! 

 demell.jpg

 文字通り、菫の花を摘んで、砂糖漬けにしたものです。
 その辺の道端に咲いてる菫を引っこ抜いて作るんじゃないですよ。(ぉぃ
 ちゃんと食用の菫ってのがあるんです。 有名なのは、写真のデメルのもの。
 本場おフランスでは、結構メジャーなお菓子だそうですが日本じゃまだまだ。
 でもなんかめっちゃ紅茶にあいそうですね。 機会があったら手に入れたい。
 デメルはお取り寄せも出来ますが、これは駐販売でないらしい。 残念。 しくしく。
 ホワイトデーのお返しにこんなの頂いてみたいにゃし。(それ以前にあげてない)


 さて、心地よく脱線したところで、お話の続きとまいりましょう。

 しばらく空いたので、忘れたとかいったらお尻ぺんぺんですぞ!

 でぁ、お暇な方、よろしければ、お付き合いくだしぁ!

 ↓


 

 

 
 

 
 
 ……まだ、憶えている。
 
 天を焦がす、赤い、赤い、焔の光柱。
 もうもうと、村全体を覆い尽くす、黒煙。
 父が、母が、みんなが、薄っぺらな紙人形のように、ひらひらと、炎の渦に呑まれ消えてゆく。 
 耳と脳髄に突き刺さって抜けない、凄まじい断末魔の悲鳴。 慟哭。 嗚咽。

 あの夜、俺は、初めて力を使って、人を殺めてしまった。
  
 仄暗い河底にたゆとう水死体のような、この鉛色の肌も。
 夜に紛れ死肉を喰らう獣の如く、爛々と紅く輝くこの双眼も。
 瘴気たなびく髪も。 剥き出しの背に生えた、黒々とはためく闇色の翼も。

 『異形』と、呼ぶには、あまりにも、それはおぞまし過ぎて――。

 ――俺が。

 【俺が、人じゃなかったから】

 【こんな力を持っていたから】

 【だから、みんな、死んでしまった】

 【いや、違う】

 【殺した――】
 
 【俺が、殺した――】
 
 赦されたいわけじゃない。
 けど、もし、裁きを与えてくれるなら。 
 俺を、すぐにでも、壊して欲しかった――。
 
 俺は、罰して欲しかったのに――。
 
 それなのに。

『どうして泣いているの?』

 穢れきったこの姿を見て、恐れもせず、脅えもせず、責めもせず、君は。

『怖がらなくていいわよ。 何もしないから』

 君は。
 
「俺が、怖くないの……?」

『何故? 怖がっているのはあなたでしょ?』

 君は、そういって、笑ってくれた。

『ほら……。 大丈夫でしょ? だから泣かないで』

 君の、柔らかく温かな手が、ぎゅっと俺を背中から抱きしめてくれた時。
 信じられないかもしれないけれど。
 張り詰めていた何かが、やんわりと溶け、ふわりと放たれるのを感じた。

 たったそれだけのことなのに。
 なのに、なぜ、こんなにも、涙が、あふれるのか――。

 赦されていいはずがないのに。

『あたしが、守ってあげる』

 俺は。

『あたしは、その為に、来たの』

 あの時から、俺は。

『あたし?』

 君を。

『名前?』

 君を、ずっと。

『あたしの名前は――』

 そう。

 君を。

 ずっと……。



「デイジー……」



「何寝ぼけてるのよ、ピョコタ」

 誰……。
 この……。 声……。

【タイマー起動。 意識、回復します】

「……あれ、サクラコ?」

 私は、目を開いた。 ここは……。
 ああ、そうか。 エリア・ゼロに向かう途中の休憩所だ。
 時間になって、セットしておいたタイマーが作動したんだ。
 
「やーねぇ、ロボットって夢見たりもするわけ? ほらもう朝だよ。 起きなよ」

 サクラコが、窓のカーテンを思い切りよく開ける。
 途端に、けたたましい朝の光が、窓から差し込み、部屋をくっきりと照らしだす。
 
「おはよぅ……。 いや、なんかずっと変な映像ログが見えてて……」
なんだろ。 あんなの、憶えないんだけどなぁ……」

 サクラコが、話を聞きながら、ぼさぼさになった髪を手櫛でちょいちょいと整える。

「ふぅん。 あんなってどんな?」

「……火事の映像よ。 どこかの集落がすごい大火事にあってて……。
燃えてた建造物の特徴から年代を推定すると、多分、今から少し前位……?
……あとね、男の子がいた。 泣きながら、燃え盛る花畑の真ん中に立ってた……。
でも、すごく変わった格好してたわ。 背中に……。 なんか、羽根とか生えてたぽい?
……エルフ族? いやそうじゃないわよね……。 魔族かなぁ……」

「火事の映像? 羽根の生えた男の子? なによそれ」

 サクラコは、私の話を聞いて、くすりと鼻で笑った。

「炎の影でも見違えたんじゃないの……。 ここ最近の大きな火事、火事ねぇ……。
……あ、そういや確か、王立図書館で見た年代録に、そんな記録があったかしら」

 え?!

「サクラコ、それ、ホント?」

 サクラコは、思わず叫んだ私の大声にびっくりして、こっちを見た。

「な、何!?」

「あ、ごめん……! でも、知ってるなら教えて! それってどんな事件だったの?!」

「え、あ、あたしも、お姉ちゃんの事を調べてた時に見つけた記事だから、書いてあったことしか……」

 サクラコは、そういって、知ってることを話してくれた。

「……確かね、十五年位前の記録だったと思うわ。
王都から少し離れた、山間に、小さな村があったの。
と、言っても、村民が20人にも満たない、小さな集落程度の村。
……そこで、ある日、大規模の火災が発生したらしいの。 原因は不明。
王都から救護班が駆け付けた時には、村は既に全焼。
たった一人の生存者を遺して住民は全員死亡……。 だったかな。」

「……痛ましい事故ね」

「そうね。 でも、それだけなら取り立てて変わった事故ではないでしょ。
それでも、あたしがその事をうっすらでも憶えてたのには、ちょっとした理由があるの」

「……理由?」

「そこは、山と山の間にあって、廻りは深い森に囲まれている集落だった。
そんな場所で、村一つが消失するほどの大火災があったなら、周囲に多少の被害があってもおかしくないでしょ」

「そうね」

「……だけど、周りには、そういった被害の形跡が全くなかったのよ」

「全く?」

「そう、全く」

「……村の人が、あらかじめ火事対策用に、森に燃え広がらないような仕掛けをしてたとか?」

「そういうことじゃないらしいの」

「どういうこと?」

「炎の広がり方が異様だった、と、記録には残ってた」

「異様って?」

「んとね、火事で焼けた地面の跡の残り方が、ちょっと不自然だったらしいの。
遮蔽物の一切ない地面の芝が、この線まではひどく焼け焦げてるのに、その先はなんともなっていないとか。
倒れてた木や建物も、ほぼ炭化してたのに、一部だけ切り取ったように無傷とか。
そうね、例えるなら、村全体が何か大きな障壁にすっぽり取り囲まれて、その中だけ火事が起こったみたいな……そんな有様だったらしいわ。」

「障壁? そんなことってあるの?」

「んー、小さなものなら、ちょっと違うけど、クレリックの神聖魔法とか、ソーサレスの反射鏡とか……。
まぁ他にもなくはないけど、規模が小さいとは言え、一つの村全体を覆うような巨大な障壁魔法なんて、ちょっと聞いたことないわね」

「……未来世界と何か関係あるのかな?」

「わからないわ……。 でも、それらしい痕跡はなかったみたいね」

「……生存者が一人いたんでしょ? その子については?」

「記録では、子供が一人、村はずれの花畑で発見されたとされてたわ。
でも、その子の性別までは書かれてなかったし、その後どうなったかも、残ってなかったかな。
もしあんたの言うような外見だったら、もう少し記録が残ってたと思うけど……」

「……そっか……」

 つまり、あれは、実際にあった出来事の映像データのログかもしれないってこと?
 でも、なぜ、その映像データが、私のメモリーに入っているのだろう。
 
「まぁ、なんにしても、詳しく調べたいなら、王都に戻ってからよね。
でも、その前に、あんたはやることがあるでしょ」

 サクラコの言うことは、もっともだった。
 確かに気にはなるけど、今は、エリア・ゼロに行くのが先決だ。
 そして、話終えたサクラコは、先に行くわねと言って、階下へと降りていった。
 気づくと、部屋は、いつの間にか私だけになっていた。
 アオベの姿がとっくにないところを見ると、私が目覚めるより早く起きたのか。
 一人になった私は、もう一度横になって、オペレーションログを確認した。
 午前7時、起動。 アクティブモードに以降。 システムはオールグリーン。
 うん、正常だ。 体内電圧にも問題はない。
 でも……。 
 
 私は、サクラコから聞いた話と、映像データが少し気になっていた。
 ……そうだ、あの子、私のことを『デイジー』って呼んでた。
 デイジー……。 デイジー……。

 あ。

 確か、この世界で最初にシャットダウンした時、私に語りかけてきた人がそう名乗ってたっけ。
 でもそれ以外、憶えのない名前だ。 デイジー。 一体、誰なんだろう。
 少なくとも、ジャスミン博士からは、一度も聞いたことがないかも。
 ……もしかして、私のなくしたメモリーログに何か関係があるのかな。

 まぁ、わからないものは、思考しても仕方がない。
 まずは、みんなのところにいこう。
 私は、再び起き上がって、ベッドを片付け、階下へと向かった。

「あらぁ、ピョコタちゃん、おはよぅ☆ よく眠れた?」

 下に降りると、リギさんが、満面の笑顔で朝食をとっていた。
 横に、アオベもサクラコもいる。

「おはよっす! おせーぞ、ピョコタ」

「おはよぅ。 アオベ、あんたもう起きてたの。 早いじゃない」

「そりゃ目も醒めるっつの。 ピョコタ、お前、ロボットなのに、イビキうるさ過ぎ」 

「ち、ちょっと! 失礼ね! 私がイビキとか出すわけないでしょ!」

「そっかぁ? お前のベッドからずっとピーゴロローピーゴロロープピーって聞こえてたぞ?」

「それ自動バックアップとデータの更新音だし! イビキじゃないし!!」

「まじかよ? どう聞いてもイビキだぜありゃ」

「そういや、なんかホニャホニャ寝言いってたよね。 あんたホントにロボット?」

「だ、だから違うもん! どっちも違うもん! うわぁぁぁぁぁぁんんん!!!」

 私が必死で状況説明をしていると、表のドアが開いて、中に誰かが入ってきた。

「もう、表まで聞こえてますよ。 いい加減にしてください。 朝から騒がしいですよ」

 入ってきたのはなんと。

「「「……リ、リン?!」」」

 バケツいっぱいの水を抱えて入ってきたのは、なんとリンだった。
 リンは、中にある水瓶に水を移し、ふうと一息ついている。

「リギ様ぁー。 お水、これくらいでいいですかぁ?」

「あらあら☆ たくさん汲んできてくれたのね☆ ご苦労様、リンちゃん☆」

「いえそんな……」

 本当に、これが、昨夜ぐったりと倒れてて、死ぬかもって言われてたリン……?
 なんか普通に元気なんですけどーーーーーー?!

「あ、あんた……。 生きて、じゃない、もう大丈夫なの?」

 リンは、ニッコリと笑って、頷いた。

「ええもうすっかり。 リギ様のおかげで後遺症も過呼吸もなく、正常回復しました♪」

 って。

「「「(キレてないのに、どもってない……?!)」」」
 
 アオベがおそるおそる尋ねる。

「えっと……。 そのさ……。 リン、今、怒ってない……よね?」

 リンは、それを聞いて、恥ずかしそうに俯いた。

「やだ……。 キレてないっすよ?//// 私////」

「ちょ。 あんた、それ、キャラ変わってなくない?」

 リンは、ますます照れくさそうに、頬を紅潮させて答えた。

「だからぁ♪ 全てはリギ様のおかげなんですぅ♪」

「……どういうこと?!(怖くて聞きたくないんですがー!)」

「…リギ様、昨夜私が意識が混濁している間に、私のボディの隅々を、ゆっくりじっくりたっぷりチェックしてくださったんです///」

「ほ、ほほぉ……(そこで照れる流れが怖いんですがー……)」

「そしたら、私のダメだったトコロとか、イケナイトコロが、いっぱい見つかって、それを、リギ様が全部治してくださったんです……。 全部……。 って、や、や、もぉ////」

 リンは、ますます顔を真っ赤にして、これ以上言わせないで下さいとばかりに首を横にぶんぶん振った。
 一方のリギさんはリギさんで、しれっと涼しい顔をして、優雅に食後のお茶を飲んでいる。
 そして、私たち三人は……。 多分全員同じことを考えていた。
 
「「「(昨夜一体ナニがあった……?!」」」 

 リギさんは、私たちの顔を見て、ケラケラ笑い出し、「もぉ☆ やーねぇ☆」と言って、昨夜のいきさつを説明してくれた。

「だからね☆ リンちゃんの構造をチェックしてるうちに、そいや彼女、宝玉もないのにどうやって細胞構成されてるのかしら?って思ったのがきっかけなの☆」

「(やっぱあれからリンの事調べたんだリギさん)」

「(複雑な構造のメカを見ると気が済むまでトコトン分解せずにはいられないからリギちゃん)」

「(分解って、おま、それヘタすると元に戻せなくなる系だろ)」

「そこ、聞こえてるわよ?☆
……ほら、XDシリーズのコアが宝玉だってことは知ってるわよね?
でも宝玉は品切れだし、ジャスミンさんが予備パーツに宝玉を使うとも考えにくいでしょ。
そこで思い出したのが、反乱事件で大活躍した特攻型クローンよ。
もしかしたら、それと同じタイプのコアを使ってるんじゃないかなーって」

 リギさんの語りに熱が入り、だんだんと口調がヒートアップしてきた。

「でね、ちょちょっと調べたら、案の定、そうだったわけよ☆
でもリンちゃんのコア、少し破損しちゃってたのね。 
そこでピンときたわけよ! 
もしやこれがリンちゃんの感情のブレとか音声出力に影響を与えてるのかもって!
幸い、先の反乱事件の時に回収した特攻型クローンのコアがあったし、ついでだから、入れ替えてみたの☆」

「先の反乱事件でそんなもんチョロまかしてたの? ばれたらレイに怒られるわよ、リギちゃん……」

「クローンのコアって……。 大体なんでそんなもの持ち歩いてるんですか……」

 アオベの問いに、嬉々としてリギさんが答えた。

「アラ☆ 何かあった時の保険よ☆ メカニックの常識☆」

「何に使えるのよその保険」

「いいじゃなーい!☆ でもね、そしたら、リンちゃん、治っちゃったのよ☆ ね、すごくない?☆」

「いやすごいけど、互換性も確認せずよくもまぁ……。 結局は野生の勘がまぐれ当りしたんじゃない」

 リンはその間、リギさんの説明を、うっとりとした顔つきで聞いていた。
 そして、目を輝かせて、答えた。

「いいえ! 全てはリギ様の鋭い洞察力の賜物です!
おかげで、私、忘れてた事もすっかり思い出せたんです!
自分が、何の為に、ここにいるのか、あんなに不安だったのが嘘のよう……。
本当にリギ様には感謝しても足りません!
リギ様は私の恩人……、いえ、女神!
私という哀れな子羊を救うために、アルテア様が遣わした新時代の女神様ですわ……!」

 サクラコが『何言ってんだコイツばっかじゃねーの』といった顔で、ぼそっと呟く。

「でもその女神様に向かってあんた昨夜『ババァ』って言ったじゃん」

「ふぁああああ言っちゃらめええ! 忘れたい忘れたい昨夜の私!!」

 慌てふためき、動揺しまくるリンをヨシヨシしながら、リギさんがサクラコにきっぱり言った。

「じゃ、ここはやっぱお姉さんのサクラコちゃんが代わりにオシオキ☆グラビでどぉ?☆」

「お姉さんじゃないし第一絶対イヤ(真顔)」

 ……ん? そう言えば。

「ねぇ、リン。 『忘れてた事』って言ったけど……?」

 私は、さっきリンが言った『忘れてた事』が気になって、リンにその意味を尋ねた。

「あ、ええ。 いいましたわ」

「……リン、それって、聞いてもいい?……」

 リンは、きゅっと表情を引き締めた。

「……そうですね。 昨夜リギ様ともお約束しましたし、この際ですから、全てお話します」

 リンは、昨夜までとはうって変わって、流暢な口調で話し始めた。

「……まず、その前に、ピョコタさん、昨夜あなたが言ってた事ですけど……」

「……リンが、この世界で生まれたかどうかって事ね」

「はい、結論から申し上げますと、私は、XDシリーズの予備パーツとして作られた31番目のクローンです。
製造場所及び製造日だけで言うなら、サクラコさん達と同じ時代の生まれです」

 リンは、きっぱりと言い切った。

「……じゃ、やっぱり、ここに来た目的は、ジャスミン率いる反乱軍の助っ人として……?」

 私がそういうと、リンは、静かに首を横に振った。

「いいえ、それは違います」

 えっ。

「……確かに私を造ったのは【アカデミック・ジャスミン】ですが、私の目的は、彼女と同じではありません」

 ……どういうことだろう? 未来の世界の住人なら、てっきり反乱の手伝いが目的だと思ったのに。

「確かに、ラボの記録にあった通り、50年後の未来から、私を送り出したのは、彼女です。
XDシリーズ達の不測の事態を憂いた彼女は、何かあった時の補助役として作成しておいた私を、調査員に同行させました。
そうして、私は、初代調査員XD-01と共に、時空跳躍マシン『アポカリプス号』で、この時代にやってきました」

 リンは、きゅっと唇をかみしめた。

「……ですが、その際、私を積んだポッド部分は、跳躍の衝撃で機体から分離してしまい、そのまま次元の狭間に放り出されてしまったのです……」

 ……な、な?!

「それで、この時代に到着したアポカリプス号には、ポッド搭載の痕跡しか残ってなかったのね……」

 リンは、頷いた。

「……次元の狭間に放りだされた私を乗せたポッドは、次元のうねりを漂ううちに、ある場所に流れ着きました。
その際ポッドは壊れてしまいましたが、中の私はコールドスリープ状態だったせいか、特に怪我もなく無事でした」

「ある場所?」

「はい。 コールドスリープ状態の私を介抱し、凍眠解除してくれたのは、ある科学者の方でした」

 科学者……。

「そこは、ミストドラゴンとレッドドラゴンに侵略され、壊滅寸前の世界でした。
人類のほとんどが滅亡に瀕し、わずかに生き残った人たちが、助かる手段を見つけるべく、奔走していて……」

 アオベが、ん?という顔をして、聞いた。

「ってことは、結局元いた未来に戻っちゃったのか?」

 リンは、哀しそうな顔つきをしてみせた。

「……私も、最初はそう思いました。
ですが、そこは、ところどころ、私が元いた世界とは、少しずつ色々なことが違っていました。
中でも、決定的に違っていたのは……」

 リンは、ちらりと私を見た。 

「そこには、XDシリーズがいた痕跡が、一切なかったということでした」

 サクラコの表情が一瞬曇った。
 リンは、それに気づきながら、話を続けた。

「生き残った人の中で、誰一人、XDシリーズを知っている人がいなかったのです。
サクラコさんの事も、もちろん、私の事も。
不思議に思った私は、助けてくださった科学者の方のお力を借りて、色々調べてみました。
すると、ある一つの事実に気づいたのです」

 事実……?

「……XDシリーズの特徴、それは、私のようなサブパーツはともかく、全員が宝玉のかけらを持っているという事。
つまりは……」

「その世界には、宝玉そのものが、存在していなかった……のね?」

 サクラコが言うのを聞いて、リンが頷いた。

「……その通りです」

 え?

「私がたどり着いたその場所は、本来辿るべきだった歴史の筋道が、異世界からの干渉によって生まれた別の未来。
……すなわち、『時空メビウス』と呼ばれる、パラレルワールドだったのです」

 パ、パラレルワールド?!

「わかりやすく説明すると、サクラコさんやアカデミック・ジャスミンがいた世界を、仮に『未来世界A』と呼ぶなら、私が辿りついた『時空メビウス』は、『未来世界A』が過去に過干渉した為に、世界が自己修復を行おうとして生まれた過剰世界、『未来世界B』ということです」

「……いや、十分難しいけど」

「アオベ、うるさい」
 
 ……ど、どういうこと?! 未来が……2つ?!

「……異世界からの過干渉……」

 サクラコが、沈痛な面持ちで言った。

「……お気づきですか? サクラコさん……」

 リンが、サクラコを見た。

「それ、もしかして、宝玉のこと?」

 リンが、サクラコの返答を聞いて、深く頷いた。

「……おそらくは」

 ……宝玉? なぜ宝玉が関係あるの?
 リンは、私を見て、また、話はじめた。

「宝玉については、ピョコタさんも、少し話を聞きましたよね。
これは私も後になって知ったのですが、反乱事件の前、【アカデミック・ジャスミン】は、自らの使命の為に、この過去世界にいる自分の産みの親から、宝玉を奪ったそうです。
結局その宝玉は、先の反乱事件の時、サクラコさんが奪い返して、他の方に渡してしまいました。
……そうですね? サクラコさん」

 サクラコは、ええ、と頷いた。

「ですが、その為に、50年後に存在するはずだった本来の宝玉の持ち主に、宝玉がない状態になってしまい、その為に『時空メビウス』が生まれたのでしょう……」

 リンは、続けた。

「……勿論、その時の私は、アカデミックジャスミンが犯した過ちについては、何も知りませんでした。
ですが、過去の世界で、宝玉がなんらかの形で失われたのだということは、うすうす予想できました。
……私は、助けてくださった科学者の方に、自分の知る限りの事を打ち明けました。
その方は、宝玉の事も含め、最初は、私の話を、信じられないといった風に聞いておられました。
ですが、もし、自分が、私の言う宝玉を持っていたなら、やはり同じことをしたかもしれないとおっしゃいました。
その方も、『時空メビウス』で、未来人の行く末を案じ、なんとか皆が生き延びることの出来る様、日々、努力を重ねておられましたから。
その方は、悩んで、悩んで……。 そして、ついに決心され、私に、こう告げられたのです」

 リンは、大きく深呼吸をした。 そして、水を一口含み、また話し続けた。

「『共感することは多々あるけれども、やはり、【アカデミック・ジャスミン】のやり方は、やはり間違っている。
過去を消し去ることは、今の自分達のいる未来をも消し去るのと同じこと。
ならば、過去を、そこに住むすべての生命を、未来の侵略から守らなくてはいけない。
それが、今いる未来の住人達を守ることにも繋がる。
辛いけれど、これは、自分の使命で、果たさなければならない責務。
おそらく、その為に自分は、存在するのだろう。
だから、思うところはあるだろうが、協力してほしい』、と。」

 誰も、何も言わず、じっと、リンの話に耳を傾けていた。

「私は、それを聞いた時、正直どうしていいかわかりませんでした。
その方に協力するということは、私は、自分の創造主である【アカデミック・ジャスミン】を裏切ることになる。
……私は悩みました。 ですが、その方の決意と覚悟に私はひどく心を打たれました。
それで、私も、ついに決心して、その方のお手伝いをすることにしたのです」

 リンの手が、少し、震えていた。
 サクラコが、何も言わず、そっと、リンの震える手に自分の手を重ねた。
 リンは、嬉しそうにサクラコを見て、小さな声で、ありがとう、と、言った。
  
「……それから、私は、およばずながら、その方のもとで、研究のお手伝いをさせていただいていました。
もともと、その方は、クローン技術の権威・ベリン社長の協力の元に、既に多くのアンドロイドを開発しておられました。
ですが、それは、兵器ではなく、あくまで、人の生活の補助としての機能しかないものでした。
あの【アカデミック・ジャスミン】に対抗するには、もっと、もっと戦闘に特化したアンドロイドでなければ。
……私達は、ひたすら、研究に研究を重ね、そしてついに、戦闘特化型アンドロイドを作りだすことに成功したのです」

 ……まさか。

「……【アカデミック・ジャスミン】討伐の為に生み出された、私達の命令のみを受けつける、最高級の機械人形を」

 それって……。

「そのアンドロイドの正式名称は、『パラマウント・イェールディングオブジェクト=キリング・オブリゲーテッド・タクティック・オートマタ=タイプコード00』……。
……もうおわかりですね。 ……あなたのことです。 ピョコタさん」

 それじゃ……!

「それじゃ、その科学者の方って……」

 私は、思わず、リンを見た。
 リンは、例えようのない優しい微笑みを浮かべ、私を見つめ返した。

「そうです……。 その方こそが、あなたもご存知の、ジャスミン博士です……」

 博士……!
 博士……!!
 
「じゃあ……。 博士が私に与えた、重要な任務っていうのは……」

 【アカデミック・ジャスミン】の討伐――。

 ようやく、私は、自分の任務について、はっきりわかった気がした。
 宝玉が失われた世界・『時空メビウス』。
 私は、そこで生まれ、そして、そこから、この過去世界へやってきた。
 私のデータベースに、宝玉に関する記述が一切なかった理由も、これでわかった。
 もともと、そんなものが存在しない場所から、私は来たのだから。
 
 だが、この時の私は、まだ気づいていなかったのだ。

 博士が、私に託した任務の、『本当の意味』。

 その裏に隠された『真実』を。

 私は、これから、知ることになる。


-to be continued-


 【ちょっとあとがき】
 
 ここまで読んでいただいて、ありがとうございます。
 時間が少し空いてしまったのは、風邪気味だったのと、何度か書き直しが入ったせいです。(白目
 台詞がおおかったので、少しでも読みやすくしたつもりですが、読みにくかったらごめんちゃい。
 なんせ構想だけはでっかいくせに詳細が白紙なので、説明くさくなりすぎたかもです。
 もっと文章力がほしいよほしい。
 リンちゃん、あの話し方じゃ説明しても皆にわかんないなと思い急遽どもりをなくしたのはナイショです。
 この後はきっとジャスミン様ラブからリギ様ラブになっていくことでしょう。(マテ

 それでは、また、よかったら読んでやってください。
 長くなりすぎたので、レイちゃんの出番伸びちゃったわ

 でぁ、またw

 あでゅw

 ヾ(´∀`o)



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6つ目キタアァァァ---♪^^

姐さん、お疲れ様です。m_ _m

まずは「菫の花の砂糖漬け!」
おぉ!ナニコレ?美味しいの?美味しいんだろうな♪^^
確かにこれは紅茶にあいそう♪
おフランスのかほりが漂いゴージャスな感じがする。^^
でもまだ国内では流通してないんかぁ、、、でも頭の片隅に
「みんちゃの菫の花の砂糖漬け!」で記憶しておきます。^^

さて、本題。w^^
いぁ、流石みんちゃ、私の事解ってるわ。www(って毎回そう思う。@@)
>「(やっぱあれからリンの事調べたんだリギさん)」
>「(複雑な構造のメカを見ると気が済むまでトコトン分解せずにはいられないからリギちゃん)」
>「(分解って、おま、それヘタすると元に戻せなくなる系だろ)」
はい、気になったら調べます。手元にあったら分解してみます。w
そして元に戻らない事も多々あります。www
その時は、「まぁそれはそこまでの物」だったと諦めます。w

休憩所のシーンが続いてるからリギの登場シーンもまだあった♪w^^
とコソーリ喜んでいます。^^

そかぁ、成程、そういう風にパラレルワールドと引っ付けてきたか。^^
今回もスッスーーと読んじゃいました♪  お疲れ様です。^^



最近のDNは、てか私はって感じですがw、
Lv93ユニークの素材集めで幽冥に籠ったり、サブキャラで嘆き集めたりと
バタバタやってます。 マギカはカンストしたけど放置だし、、、ムズイし。www
まぁ、適当に遊んでます。^^
2017.02.23 20:35 | URL | リギ #ReDJDbc2 [edit]
少し時間あきましたが、今回も読んでくれてありがとう!

菫の花の砂糖漬け、実は見つけるまで実在するとは知らなかったのです
江國香織さんの「すみれの花の砂糖漬け」という詩集で名前を知り
あと昔読んだ絵本で、魔法使いを探しながら旅をするお話の中でも
そういう砂糖漬けとか出てたし、ハリポタのバタービールみたいなものと
思ってました(バタービールはUSJで呑めるけど)
国内で流通してなくはないけど期間限定商品らしいです。
お取り寄せ可能ですが、4200円とかえぐい値段だった(

やっぱ付合い長いだけあって、私、リギちゃの描写に長けてるのね(ぉぃ
本人に似せたつもりはないけど、似てるならヨシとしようw
ちな、リンちゃん、ここではおにゃのこですが、本人は男性でしかも
ハードロッカー系のイデタチをなさってるそうです(

マギカは見事にホチです(
ルビセットが当たる(かもしれない)ガチャの噂を聞き
そのうちログインするかもしれないって思ってたけど
思ってるうちにもう終わってそう(
2017.02.25 08:53 | URL | みん #JyN/eAqk [edit]

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